カメラやレンズについて気ままに書く「カメラよろず話」第28回。今回は、富士フイルムが発売したM42マウントの望遠単焦点レンズ、EBC FUJINON-T 200mm F4.5について紹介したいと思います。
5群5枚、正統派(?)テレフォト型のM42マウント単焦点望遠レンズです。
なお、過去のカメラよろず話については、以下のカテゴリーから参照いただければと思います。
- EBC FUJINON-T 200mm F4.5仕様
- EBC FUJINON-T 200mm F4.5を買うまで
- EBC FUJINON.T 200mm F4.5を使った感想
- 作例
- レンズ構成について
- 終わりに~一度は経験してみていい、望遠単焦点~
EBC FUJINON-T 200mm F4.5仕様

焦点距離:200mm
最大口径比/最小口径比:F4.5/F22
レンズ構成:5群5枚
対角画角:12.3°
最短撮影距離:2.5m
マウント規格:M42マウント ※開放測光のための電気接点あり
絞り羽根:6枚
フィルター径:49mm
2.5mという最短撮影距離にビビりました。が、同時代の200mmレンズはだいたいこんなもののようです。
ちなみにこのレンズ、私は発売年がはっきりと分かっていません。Lens-DBの記載を参考にすると1970年となるわけですが「それEBC付きではないFUJINON-T 200mm F4.5の発売年では?」という気がしています。
『クラシックカメラ専科 No.38 プラクチカマウント』を参照するとEBC付きではない200mm F4.5が存在したことは確からしいので、おそらくEBC付きの方はもう少し後、おそらく1972年あたりだと思われます。このあたり確かな情報をお持ちの方がいたら教えていただきたいです。
EBC FUJINON-T 200mm F4.5を買うまで
このレンズを買ったのは、松屋銀座での世界の中古カメラ市にて。その日はちょっと色々ありまして精神的に参りかけていたのですが、そんな折にタイムセールでお安く売られていたのを確か4,000円くらいでゲットしました。
ぶっちゃけ前から欲しいと思っていたわけでもなく、FUJINONシリーズならと思って手を出した程度ではありました。ただ状態の良い個体を拾えたので、その日いろいろあってげんなりしていたところを救われたような思いでいたのを覚えています。
EBC FUJINON.T 200mm F4.5を使った感想
LOOOOOOOOOOONG

最短撮影距離だと冗談みたいに長くなります。
長くなって楽しいです。ST801との組み合わせだと正直ちょっとアンバランスですし、マウントアダプターを噛ませてZ6IIIに装着するともはやシュールです。
EBC FUJINON 200mm F4.5
— こおろぎ│1日目東ヤ25a (@korogi07) 2025年3月2日
ヘリコイド繰り出してレンズに備え付けのフード伸ばすとギャグみたいな長さになる
Z6IIIにつけてこのバランスは面白い pic.twitter.com/7OORotmcZP
そして、この焦点距離とあって撮影時は手ぶれにかなり気を遣います。手ぶれ補正に甘えず自分でしっかり止められるための訓練だと思って使うのがいいですね(笑)
絞りの謎
このレンズ、F4.5の次が「・」表記になっており、その次がいきなりF8となっています。F4.5とF8の間に普通ならF5.6とF6.3の2段階くらい刻みそうなところですが、どういうことなのでしょうか……いくらなんでも大雑把過ぎませんか?(笑)
まあ古いレンズですし、絞って撮れということなのでしょう。
作例
FUJICA ST801との組み合わせで使用した作例を2枚。

構図はそこそこお気に入りです。圧縮された感じが出ていいですね。

200mm単焦点レンズを持って町中を歩くというのは、かなり面白いです。m4/3で35mm判換算200mmっていうと正直大したことないくらいの望遠なのですが、フルサイズの200mm、しかも手ぶれ補正なしのレンズで撮影に挑むのはなかなか神経を使う(しかし興味深い)体験です。
しかし、時代は進歩しました。
Z6IIIとの組み合わせであれば、ボディ側で手ぶれ補正が作動し、またISO感度を上げられるのでシャッタースピードも稼ぎやすいです。ミラーレス万歳ですね。
そんなZ6IIIでの作例も以下に挙げます。11月中旬、14時くらいの撮影です。

2.5mという最短撮影距離なので、小さな被写体はまあキツいですね。

ボケの質としてはまあなんというか……微妙ですね。
まあこれに関しては意地悪なシチュエーションということで……次は逆光で撮ってみました。

古いレンズの絞り開放かつ逆光ということでコントラストはさすがに低下気味です。しかし、ゴーストが出るようなことはなく頑張ってくれている感じです。EBCの効果なんでしょうか。

今度は順光の中距離で絞って撮ってみました。いい条件というのもありますが、きちんと写っています。
レンズ構成について
5群5枚のテレフォト型らしいです。この頃の望遠単焦点レンズとしては定番のレンズ構成ですね。
後ろ側から見ると、レンズがかなり奥の方に見えるのが面白いです。鏡筒の長さの割にはレンズの枚数が少ないので、スッカスカの配置なんですよね。
終わりに~一度は経験してみていい、望遠単焦点~

FUJINONに限らずフィルム時代の200mm単焦点ってまあ安く売られていますよね。
でも、このEBC FUJINON-T 200mm F4.5を買って使ってみて、意外と面白かったです。暗いレンズですが、手ぶれ補正が効いて高感度もイケるミラーレスカメラとの組み合わせなら、そこまで困りませんからね。
それに、フィルムカメラであるST801との組み合わせで使ってみても、日ごろマイクロフォーサーズで手ぶれ補正に甘え切っていたのを戒められたような気持ちになって面白かったです。
とはいえ使う頻度はアレですし、同じような焦点距離で2本目以降を買うことはないでしょうが、趣味ですからね。一度は自分で経験してみるのがいいのです。
さて、次回紹介するのはZeiss Ikon Super Ikonta 531/2。
以前紹介したIkonta 520/2から少し時代が下り、多重露光防止の機構や距離計連動が組み込まれた進化版となっています。レンズもTessar 105mm F3.5とかなり明るいレンズです。
フォーマットの大きさは正義! ということで6×9判の作例を用意してきたので、お楽しみに!
それではまた次回の更新で。
以下、いつものアフィリエイトコーナー。
▽作例で使用したフィルムはこちらです。個人的に凄くお気に入りなPORTRA 160。

