カメラやレンズについて気ままに書く「カメラよろず話」第21回は、Nikonが発売した中望遠単焦点レンズ、AI AF Micro Nikkor 105mm F2.8Dについて紹介したいと思います。

1993年にNikonが発売したこのレンズは、等倍撮影も可能なマクロレンズです。いや、ニコン的にはマイクロレンズですか。
使い勝手がよく、中古市場での価格も手ごろとあって、Fマウントユーザーなら「とりあえずこれ」って感じで所有している方が結構いるレンズなのではないかなと思っています。そんなレンズについて、実際に使った感想や作例も交えて紹介していきます。
なお、過去のカメラよろず話については、以下のカテゴリーから参照ください。
- AI AF Micro Nikkor 105mm F2.8Dの仕様
- AI AF Micro Nikkor 105mm F2.8Dを入手するまで
- 外観と機構
- 使用感と作例
- Z6IIIとの組み合わせ
- 接写以外
- レンズ構成
- 終わりに~ザ・スタンダードな中望遠マクロレンズ~
AI AF Micro Nikkor 105mm F2.8Dの仕様


焦点距離:105mm
最大絞り/最小絞り:F2.8/F32
レンズ構成:8群9枚
対角画角:23°20'
最短撮影距離:0.314m
マウント規格:Nikon Fマウント
絞り羽根:7枚
フィルター径:52mm
質量:約560g
0.314mって意外と寄れないじゃん、と思うかもしれませんが、105mmという焦点距離だとこの距離でもう等倍撮影ができるんですよね。まあ後述の通りフィギュア撮影がメインなので、最短撮影距離まで寄ることはほぼないのですが……
AI AF Micro Nikkor 105mm F2.8Dを入手するまで
せっかくフルサイズのカメラ買ったしフィギュア撮影でも使いたい→マクロレンズ買うか!→フィギュア撮影に向いてる中望遠で、F-801でも使えるやつがほしい→105mmで値段が手ごろなAI AF Micro Nikkor 105mm F2.8Dだな!
ということで、松屋銀座で開催された世界の中古カメラ市にて19,800円くらいで購入しました。
外観と機構

外装は金属とプラを併用。サイズ自体はそこまで大きくないのですが重量は560gあるので、手に持つとそれなりの重みを感じます。
鏡筒にはマクロレンズとしてはおなじみのフォーカスリミッターや距離計窓があり、MF/AFの切り替えスイッチもあります。便利。
Dタイプなので、もちろん絞り環とロックスイッチがあります。
使用感と作例

個人的にメインの使いどころがフィギュア撮影なので、フィルム/デジタルそれぞれでの使用感を。
F-801との組み合わせ――実効F値の話。

F-801との組み合わせではAFも使えるのですが、フィギュア撮影においては瞳にピントをシビアに合わせに行く必要があるので、基本的にMFしか使いません。まあAF時代のレンズではあるもののフォーカスリングの操作感は悪くないので、困ることもありません。
三脚と変倍アングルファインダーも組み合わせ、じっくり腰を据えてフィギュア撮影をしていると、このレンズのポテンシャルを引き出せているなという錯覚にとらわれるのですが、実はAFやフォーカスリミッターなど使っていない機能がたくさんあります(笑)
ちなみにこのレンズ――というよりかはニッコールのマイクロレンズを使う面白さの一つに、カメラ側の液晶に表示されるF値が実効F値であるところがあります。
我が家にあるカメラでいえばF-801との組み合わせでこのレンズを使うとき、レンズ側の絞り環をF2.8にセットして最短撮影距離まで寄ると、カメラの液晶にはF5.0と表示されるのです。
絞りはF2.8にセットしたのに、どうして……と思われるかもしれません。
これは、マイクロレンズを装着した状況では撮影倍率が上がるとフィルム面上(デジタルカメラでは撮像素子面)での像の明るさが減少するという現象が起こっており、。
Nikonのボディでは、その現象を加味した実効F値を表示している、というわけなのです。詳しい話は以下のリンクからどうぞ。
ちなみに、このAI AF Micro-Nikkor 105mm F2.8Dを含めたマイクロレンズの撮影倍率と実効F値の関係に関しては、以下のようになっています。

TTL測光が主流となった今日においては実効F値を意識する機会も少ないですが、マイクロレンズをよく使うなら覚えておくとよいかもしれません。ちなみに、引用元はやはりニッコール千夜一夜物語です。
Z6IIIとの組み合わせ

Z6IIIとの組み合わせにおいて、FTZを持っていない私はK&F Conceptのマウントアダプターを使用しています。電気接点はなく、実効F値の表示は行われません。まあ撮影結果をすぐに確認できますし、PCに取り込んでRAW編集もできるのでさほど困ることはありませんが。

以前OLYMPUSの60mm F2.8 macro(35mm判換算120mm)の記事でも触れましたが、フィギュアを撮影するには中望遠の焦点距離が最適です。そう言った意味で、このレンズの105mmという焦点距離はなかなか使い勝手がいいです。ある程度の撮影距離を確保できれば全身も写せますしね。
ちなみに、あみあみのような店頭でデコマスを撮影するときにはさすがに長いです。MFなのもしんどい……(^^;

最短撮影距離まで近寄ると、マクロレンズ独自の世界が見えてきます。これが楽しい。


ただ、手持ちで寄るのはしんどいですね。分かってはいましたが……
シャッタースピードを稼ぎたいのである程度明るくないと無理ですが、かといって屋外だと風で被写体が動いたりするので安心して使えるシチュエーションは割と限られます。

接写以外
フィギュア撮影以外にも軽く作例を出します。とはいえ数はありません。
105mmという焦点距離なのでポートレートもいけるのかなというところですが、積極的に使う理由もないかな……というところです。もちろん使えないというわけではないのですが、これよりポートレート向きで明るいレンズはたくさんありますからね。



ボケの質としてはまあ何とも……
レンズ構成

このレンズとおそらく光学系が同じであろうAI AF Micro Nikkor 105mm F2.8Sについて、ニッコール千夜一夜物語で取りあげられています。
と表現されていますが、やはりガウスタイプだと歪曲収差に対して強いからマイクロレンズの使用用途にあっているようなイメージがあります。このあたり、感覚ではなくて定量的に理解できるようになれるといいな……と思いつつ。
終わりに~ザ・スタンダードな中望遠マクロレンズ~
というわけで、使いやすい105mmマイクロレンズの紹介でした。
流通量も多いので2万円程度で気軽に手に入ります。中望遠マクロはほしいけどZ 105mm F2.8は高いなあ、という方はぜひに。
さて、次回のカメラよろず話で紹介するのは、Ikonta 520/2。
Zeiss Ikonが1929年に発売した、蛇腹を使ったフォールディングカメラが世に普及し出したきっかけともいわれるカメラです。
なんか一気に時代が遡りますが、お楽しみに~
以下、アフィリエイトコーナーです。
▽使用したマウントアダプターはこちら。Dタイプなので純正のFTZアダプターを買ってもAFは効きません。
▽対応する純正フードはこちら。リンクを貼っておいてなんですが、Amazonだと3,000円するので中古カメラ点で探された方がよかろうとは思います……

