カメラやレンズについて語りたいことを語るカメラよろず話。第19回となる今回取りあげるのは、ミノルタカメラ株式会社(当時)が1971年に発売したコンパクトカメラ、HI-MATIC Eです。

弟分のHI-MATIC Fと比べると目立ちませんが、搭載したレンズの秀逸さや逸話から一部に人気のある機種です。そんなカメラについて、実際に使った感想や作例も交えて紹介していきます。
なお、過去のカメラよろず話については、以下のカテゴリーから参照ください。
HI-MATIC Eの仕様

レンズ:ROKKOR-QF 40mm F1.7(4群6枚)
最短撮影距離:0.8m
対角画角:59°
フィルター径:49mmねじこみ
シャッター:自動露出、Ev0.5(2" F1.7~1/1000 F11)、X接点速度1/20秒
露出計:CdS受光素子
フォーマット:135フィルム
フォーカス:MF、二重像合致式
重量:560g(電池なし)
発売年:1971(昭和46)年
フィルター径49mm、開放F値はF1.7ってそこら辺にある明るめの交換レンズと変わらんのですよね。コンパクトカメラとは思えないのですが、これより前のモデルであるHI-MATIC 11にはROKKOR-PF 45mmF1.7がついていたとのことなので、これはHI-MATICシリーズが凄いんでしょうね……
ちなみに、フードがないと我慢できないフード病の方はなるべくフードがセットになっているものを買いましょう。型番はD49NDです。
参考にしたWebサイトはこちらです。
HI-MATIC Eを買うまで
以前の記事でも紹介したように、友人が購入したHI-MATIC Fを見ていいな~と思ったのがきっかけです。
ぼんやりヤフオクを眺めていたら、似たようなデザインのHI-MATIC Eでよさげな出品を見つけ、競合もなくあっさり落札しました。
付属品(ケース、ストラップ、フラッシュ)が一通りそろっていたのが大きかったです。

ただ、モルトは貼り替えが必要な状態で、そのまま1年近く放置していました……が、HI-MATIC Fの記事を更新してから、さすがにこれ以上放置するのも勿体ないな、となり意を決して貼り替えた次第です。
作例や使い心地についてはこれより後の項目で説明します!
外観と機構、使用上の注意


外観
かわいさとカッコよさが絶妙なバランスで両立していると思います。かわいさ成分はアルミの色あいとレンジファインダーならではの扁平なシルエットから、カッコよさは大口径のレンズからって感じですかね。
一眼レフなどと比較してコンパクトなボディに各操作系をぎゅっと詰め込んでいるのはHI-MATIC Fと同じ。シャッターと巻き上げが上面に、ピントリングとセルフタイマー、GN設定がレンズ鏡筒に、レンズ前面にASA設定がある、という配置もHI-MATIC Fと同じです。
親切で便利な機構

便利な機構として、フィルム装填がきちんとできているかを確認できる窓があります。上記の状態ではフィルム装填確認窓には何の表示もありませんが、きちんとフィルム装填するとここに赤いインジケータ表示が出ます。
ちなみに、HI-MATIC Fと似たような仕組みですが見た目は微妙に異なります。
使用上の注意 ➀-電池について
本来想定されている電池は生産終了し、市場に出回っていません。
ということで、LR44(もしくはSR44)を代用しましょう。
詳しくはHI-MATIC Fの記事で書いたのでそちらを参照ください。
なおHI-MATIC Fと違い、電池がなければシャッターを切ることはできません。
電池がなくて露出計が働いていない状態でシャッターが切られてしまうことがないので、個人的にはこちらの仕様がより親切に思えます。
電池アダプターは関東カメラから出ています。
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使用上の注意②-やたら深いストロークと、手ブレ警告
シャッターのストロークがかなり深めです。ちょっとだけ押し込んだ状態から更に押し込んで(これでレリーズできたかな)と思ったところから更にもう1段階深く押し込んでようやくシャッターが切れます。
思っているより深いので、初めて扱う人はフィルムを入れる前に空シャッターを切って感覚をつかんでおくことをお勧めします。手ブレにも注意。
ちなみに、シャッターを半押しして更にちょっと押し込んだときにボディ上面のランプが点灯/ファインダー内の左上に赤いランプが見えたら、それは露出不足、つまり手ブレが起きかねませんよ、という警告です。フラッシュを使用するか、三脚などに据えるか、気合いで乗り切るかなどしましょう。緑ならOKです。
ちなみに、使い方やここまで述べた注意点に関しては、YouTubeにあるこの動画がとにかく参考になります。私もこのカメラを使う前に何度も見ました。
ストロボの使い方は、こちらも合わせて見ると間違いがないと思います。
軽く説明すると、純正品の場合は、ストロボに書いてある表と裏蓋に書いてあるGNの表とを見比べて、鏡筒の指標を合わせれば(私が持っているelectroflash-14だとBに合わせる)、ストロボを焚いたときに適切な露出になるような仕組みです。
また、ストロボを装着した状態でカメラを暗いところに向けてシャッターボタンを半押しすると、ストロボを発行させる必要がある旨を伝える表示がファインダー内の右上に出てきて、その状態でレリーズするとストロボが発光します。
このあたりを理解していればとりあえずストロボは使えるはず。私の場合、夜や室内といった暗いシチュエーションでは基本的にフィルムカメラを使わないので、あまりストロボを焚く機会も無いのですが……
HI-MATIC Eを使った感想

購入したのは2024年なのですが、長いことモルト交換をサボっていたので、実際に持ち出したのは2025年も半ばとなった5月下旬から6月上旬です。なので、割と最近使った感想になります。
作例のフィルムはすべてFUJICOLOR 100です。GT-X820で自家スキャンしています。
持ち運びやすさ◎

HI-MATIC Fと比較すると一回り大きく、少し重くなりますが、それでも一眼レフと比較すれば小型軽量です。
ただ、ハンドストラップで使うにはちょっと厳しいかも。
私はカメラを入手した際についてきたケースがネックストラップつきだったので、そのまま首から提げて使っています。
実用性も○ ピント合わせもしやすいです。

個体差もあるでしょうが、私の持っている個体は全体的に状態がいいです。ファインダーの二重像もきれいに見えるため、ピント合わせはかなりやりやすいです。
ピント合わせにおいて、以前は
「二重像よりスプリット式スクリーンの方が合わせやすいし確実」
と思っていたのですが、ST801などの一眼レフで
「ピントバッチリだと思って撮ったコマが現像してみたら外してた」
を何度か経験してからというもの
「実は二重像の方が楽だな……」
と思うようになりました(笑)
微妙な点

自動露出のカメラということで、フィルムを装填するときに一度ASA感度さえセットしてしまえば、それ以降の撮影時にユーザーが操作するのはピントリングだけです。簡単でいいのですが、簡単すぎて「撮ってる感」がないですね(面倒くさい人種)。
ピント以外すべてカメラ任せなのは楽だけど面白くない……
なんでこんなことを思ったかというと、このカメラを使っていたのと同じ時期に、
絞り優先でバシバシ撮れるCONTAX RXを使っていたのがいけない。
やはり絞り優先で被写界深度を調整できる方がいい……と思ってしまったのです。
それに、せっかく明るいレンズを使っているのに絞り優先が使えないのはもどかしい……
まあ、普及機にあれこれ言う方がヤボってものでしょうな。
逆にフィルムカメラを始めたての人や、露出を自分で調整することに興味ない人にはお勧めです。
デザインもかわいいですし、写りはいいです。

あと、前述の通りシャッターストロークがめちゃくちゃ深いのは手ブレの原因にもなりやすい感じがしてちょっと……まあこれは慣れですね。
終わりに~かわいいだけじゃない、使いやすいコンパクトフィルムカメラ~

正直、 使うまでは舐めてました、HI-MATIC E……重いなって思うこともなく気持ちよく使えました。まあ、さっき言った通り自動露出なので、こればかり使うようなのは物足りなくなりそうなのでアレなんですが……
また、せっかくのF1.7ということで開放を使いたくなるのが人情ですが、悲しいかな思ったようにはいきません。
それならレンズだけ取ってやろうということで、Eマウントに改造する人がいるそうです。
自分でもいつか挑戦してみたいですが、レンズ固定式のカメラからレンズを取るのは結構大変そう。
交換レンズのマウントを改造するのとは訳が違いますからね。
必要な工具も揃えていないので、挑戦できるのはまだまだ先になりそうです。
積んでいるレンズはいいので、かなりシャッターストロークに慣れさえすれば、色々な人にお勧めできるなあ、と思います。
さて、次回の更新では今度こそNikonのZ6IIIと、キットレンズのNIKKOR Z 24-120mm f/4 S。
私にとって初めてのデジタルフルフレームカメラ。発売直後に購入し、約一年使用してきた感想や実写について紹介予定です(前回のコピペ)。
それでは、次回の更新で!
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