こおろぎ観察日記

撮ったり書いたり旅したり、趣味についてのブログです。最近はカメラについて。

ニコン一眼レフの始祖と変わり種レンズのコンビ。 Nikon F & GN Auto Nikkor 45mm F2.8について:カメラよろず話 第35回

カメラやレンズを使った感想や作例について書くカメラよろず話、第35回で取りあげるのは、日本光学工業株式会社が1959年に発売した一眼レフカメラ、ニコンFと、Fマウントの標準単焦点レンズ、GN Auto Nikkor 45mm F2.8です。

Nikon F&GN Auto Nikkor 45mm F2.8

ニコン一眼レフの始祖と、とある目的で作られた変わり種のパンケーキレンズという、ちょっと珍しい組み合わせを使った感想や作例について書いていますので、ぜひ最後までご覧ください。

なお、過去のカメラよろず話については、以下のリンクからどうぞ!

mushikago.hateblo.jp

Nikon Fの仕様

主要な操作部は右肩に集中しています

フォーマット:135フィルム
シャッタースピード:B・T・1~1/1000秒
シャッター:縦走りフォーカルプレーンシャッター
レンズマウント:ニコンFマウント
フォーカス:MF
巻き上げ:手動
発売年:1959(昭和34)年

正直あまりにも有名なカメラというか伝説の一台みたいな感じなので今更私が書くこともないのですが、ニコン初の一眼レフです。何が画期的であったかも既に語りつくされているところですので、ここでは割愛させていただきます。

ちなみに、手元にあるのはアイレベルファインダーです。カッコイイんですよねえ本当に。

GN Auto Nikkor 45mm F2.8の仕様

焦点距離:45mm
最大口径比/最小口径比:F2.8/F32
レンズ構成:3群4枚
対角画角:51.3°
最短撮影距離:0.8m
マウント規格:ニコンFマウント
絞り羽根:7枚
フィルター径:52mm
発売年:1969(昭和44)年

GNと冠されているのは何ぞやという方もいるかと思いますが、フラッシュ撮影をするときの適正露出を求めるための機構を搭載しているが故のこの命名なのです。

GN機構について、詳しくはニッコール千夜一夜物語をご覧ください。

nij.nikon.com

いまはフィルムカメラでフラッシュ撮影をすることもほとんどないのでしょうが、このGN Auto Nikkor 45mm F2.8はよく写るパンケーキレンズとして一定の人気があります。ちなみにGN機構を無視すれば基本的に普通のニッコールレンズとして使えるのですが、ヘリコイドの回る向きが逆なので注意が必要です。

ちなみにレンズ構造は3群4枚のテッサータイプで、これもニッコールレンズとしては極めて珍しいです。35mm判用のニッコールでテッサータイプってこれとAI Nikkor 45mm F2.8Pくらいだと思うんですよね。

なおAi化改造された個体もあるそうですが、私の手元にあるのは非Aiです。なので同じFマウントといえど、F-801には装着できません。残念。

mushikago.hateblo.jp

入手した経緯

このカッコよさよ。ピンボケしててすみません(^^;

Nikon Fは前から気にはなっていたのですが、新宿の催事で出店していた近江寫眞機店さんのブースでショーケースにぴかぴか光ったNikon 鎮座しているのを見かけ、カッコよさに一目ぼれで衝動買いしてしまいました。

セットのレンズはいくつか候補があった中で、店員(近江寫眞機店の方)に勧められたGN Auto Nikkor 45mm F2.8にしました。素直に50mm F2とかにしてもよかったんですが、Nikkorの50mmは既にAI AF Nikkor 50mm F1.8Dを持っていたので……

mushikago.hateblo.jp

使った感想とフィルムでの作例

①完成度の高さと過渡期の機構と……

Nikon Fは一眼レフとして完成されている、なんて言う人も多いですが、指をかけづらいシャッターボタンの位置だったり、巻き戻しの際の動作だったり、撮影コマ数を指定する機構があったり……なんだかんだ古いカメラだなあというところが多くあります。

とはいえ、完全自動絞り機構の採用など技術的に完成度が高いカメラであることは確かです。その堅牢さや外観のカッコよさと合わせて、工業製品としてのレベルの高さは現在でもまったく色あせるものではありません。

②眺めてよし、使ってよしの満足感

Nikon Fアイレベルはとにかくカッコいいので、眺めているだけで幸せな気持ちになります。あと、パンケーキレンズの45mmとの組み合わせもいいですね。

手に馴染む重さといい、機械を操作している感じといい、使っていて満足感があるカメラです。

③35mmで露出計が無いのはちょっと不便

スナップにも露出計測のワンテンポが挟む感じ。 F8 1/250 Santacolor 100

露出計が無いカメラ、しかも35mmとなると私はNikon Fが初めてでした。使っていても、ちょっとテンポが悪くなってしまうのが個人的には微妙ですね。これが中判だと慣れていますし何とも思わないのですが……

自分にとって35mmはもうちょいサクサク撮れるカメラであってほしいな、というのがあります。

④GN、寄れない&遠距離だと使いづらい?

寄れないとはいえこれくらいの距離感では撮れます。 F2.8 1/250 Colorplus200

最短撮影距離は0.8m。画角の割に寄れないレンズだなあという感じです。まあフラッシュ撮影は1m以上距離を取って人を撮るものなのだからそれでいいだろう、ということなのでしょうか。

普通に使う分にはちょっと使いづらいですが、困るほどではないです。

距離表示 F8 1/125 Sactacolor 100

そして、ある程度の距離でフラッシュを焚くときに使うのが本来の用途であるレンズだからか、遠距離だと距離環での表示とピントが合っている実際の距離が合いません。

これは正直結構厄介です。

50mmとかと比較すると万能なレンズかというとそうではないなあ、という印象を受けます。

⑤GN、薄いのは正義

操作系にいろいろとクセのあるレンズですが、やはり最大の特徴はその薄さ。持ち運びがしやすいのは素晴らしい。バックフォーカスを長く取る一眼レフ向けのレンズとしては珍しいことです。

家にあるレンズだとマイクロフォーサーズの14-42mmあたりと同レベルですからね。薄いのは正義。

GN Auto Nikkor 45mm F2.8 デジタルでの作例

せっかくなのでZ6IIIにK&F Conceptのマウントアダプターを使用して装着して何枚か撮影してみました。

最短・解放の描写を確かめたかった一枚 F2.8 1/2500 ISO100

F2.8と控えめな開放F値ですが、最短まで寄ればボケ量はしっかり取れます。あまりそう言うレンズでもないんですが、一応作例として。

F2.8 1/2000 ISO100

F8 1/500 ISO100

やはり焦点距離45mmで0.8mという最短距離では花を撮るのはかなり厳しいですね。向いていない、というやつです。

次の作例はある程度の距離を取った上で(20mくらいでしょうか)、絞った時の描写の変化をみてみました。

開放はそこそこの周辺減光が見られます。 F2.8 1/1600 ISO100

F4 1/1250 ISO100

周辺減光も気にならなくなり、解像もかなり良くなります。 F5.6 1/640 ISO100

このあたりでは既にかなり使える解像かと思います。 F8 1/320 ISO100

F11 1/160 ISO100

写りとしてはF5.6でそこそこ、F8で割と安心、F11で最高、みたいな感覚です。等倍で中央と周辺の比較画像とか作るものかもしれませんが……そこまでの気力はなく……(笑)

終わりに

F2.8 1/125 Colorplus200

というわけで、Nikon FとGN Auto Nikkor 45mm F2.8というちょっと変わった組み合わせの記事でした。

Nikon Fは一眼レフシリーズの一番手ということで、使ってみてよかったなあと思います。カッコいいですしね。
でもやっぱり露出計を別に使うのは自分の撮影スタイルに合わないので、正直に言うとそのうち手放しそうな気もしています。カメラ選びは楽しく、難しいですね。

GN Auto Nikkor 45mm F2.8は唯一無二の出自を持った準標準画角のパンケーキレンズとして面白いレンズで、Nikkorには珍しいテッサータイプという個性的なキャラなのも加点要素です。でも長く使うかと言われると……うーん……って感じですね。

さて、次回のカメラよろず話は、我が家にあるフィルム時代のレンズの中でも最も出自がよく分からない一本、Auto Polaris 135mm F1.8を取りあげます。このブログを見てくださっている方でもご存じの方は中々少ないであろう名前に、フィルム時代としてはインパクトのある135mm F1.8というスペックを備えた謎多きレンズの使い勝手や作例を掲載する予定です。

出自の謎についても分かったことを載せるつもりです。お楽しみに!

ではでは、また次回。

 

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