カメラやレンズについて語りたいことを語るカメラよろず話。
第24回となる今回取りあげるのは、OMデジタルソリューションズが2022年に発売したミラーレスカメラ、OM-1です。

OLYMPUSがフィルム時代に発売した名機、OM-1と同じ名を冠しながらも、その開発途中にOLYMPUSがカメラ事業から撤退するという衝撃の事件が起きたせいで、開発と販売が同じ母体でありながら違う企業であるという数奇な運命をたどったカメラです。
そんなOLYMPUS最後の、そしてOM SYSTEM最初のフラッグシップモデルであり、私が初めて購入したフラッグシップモデルでもあるOM-1について、使用感や実写をレビューしていきます。
なお、過去のカメラよろず話については、以下のカテゴリーから参照ください。
OM-1の仕様

まずは仕様から。公式Webサイトから一部抜粋です。
フォーマット:マイクロフォーサーズ
有効画素数:約2037万画素 裏面照射積層型 Live MOS センサー
シャッタースピード:1/8000~60秒、Bulb、Time、ライブコンポジット
※ 電子シャッター使用時は高速側シャッタースピードを1/16000秒まで設定可能
フォーカス:ハイスピードイメージャAF(イメージャ位相差AF / イメージャコントラストAF併用)
EVF:電子ビューファインダー、OLED、約576万ドット
発売年:2022(令和4)年
この記事を書いているときに気付きましたが、576万ドットというのはZ6IIIと一緒なんですね。見え方は結構違いますが……
OM-1を買うまで
OM-1を買うまでの私が所有していたマイクロフォーサーズのカメラは、
- E-M10 Mark III
- OM-5
この2台でした。
OM-5を購入したときにE-M10 Mark IIIを手放すことも考えたのですが、手元にある個体はUSBの端子が壊れていて中古で値がつかないのも分かり切っていましたし、はじめて自分のお金で買ったカメラだったので思い入れもあったのです。
そして、この時期には既にZ6III(2024年7月購入)も手元にありましたし、マイクロフォーサーズのボディをこれ以上増やすこともなく、しばらくはこの2台でいいかな、とも思っていました――そう、あのメールが来るまでは。
そのメールは、11月のある日にOM SYSTEMから届きました。

え、OM-1と12-40mm F2.8PROIIが176,000円⁉
しかも、交換なのでE-M10 MarkIIIの状態は問わない……これはかなり得なのでは? と心が動きました。
というのも、ちょうどこの時期、私は過去に購入して使い倒していた75-300mmの画質に不満を感じ始めており、レンズの置き換えを検討していました。
置き換え先の候補として挙がっていたM.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 ISは、超望遠としては軽いながらも1kgを超えるレンズ。グリップの浅いOM-5との組み合わせには不安が生じるサイズだったのです。
「OM-1を買って100-400も買えば、夢の換算800mmとより良い画質が手に入る。一緒についてくる12-40mmは大して使わないだろうし、うっぱらってしまえば良い……」
「というかフラッグシップモデルなんかこれを逃したら一生買う機会無いかもしれない……買うしかないだろ!!」
そんな思いに駆られた私は気付けば交換キャンペーンへの申し込みを済ませ、思い入れがあったはずのE-M10 Mark IIIはあっけなくドナドナされていったのでした……(笑)
使った感想

心地良いホールド感
手に持った感じは、実にしっくりきます。サイズ感だけじゃなくて収まりがいい形になるようにも考えられているのかもしれませんね。さすがフラッグシップモデル……
グリップも深めなので、M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 ISのような大型の望遠レンズやPROレンズを装着したときの安定感は段違いです。
ちなみにOM-1のボディ重量は公式ウェブサイト記載の数値によると、
です。これがOM-5だとそれぞれ414g/366gなので、ボディが大ぶりになった分だけ重量もしっかり増しているのが分かります。もちろんサイズだけでなく、一部で材質の違いもあるとは思いますが。
こうして見ると、手軽さをかなり重視したOM-5と、フラッグシップモデルとしてのOM-1はしっかり差別化されているのだな、と感じますね。
メニューやUIについて:一長一短あり。
ごめんなさい、結構長くなります。どうでもいいって人は次の項目まで飛ばしてください!!
さて、OM-1は、メニューがそれ以前の機種とは異なる操作体系になっています。ここでは、その新しいメニューを使う機種を仮に「新メニュー機種」と呼びましょう。
私が以前から持っていたE-M10 Mark IIIやOM-5は旧来のメニューだったので、OM-1は私が使う初めての新メニュー機種です。
この新メニュー、レイアウトとしては第一階層(メニューの一番上、『📷1』『📷2』『AF』)と、その1つ下の第二階層までは水平方向に並んで配置され、第三階層は小項目が垂直方向に並ぶ、と言うもの。

一見整然と並んで分かりやすいのですが、操作してみると分かる欠点もあります。
というのも、第一階層の中にある第二階層のメニューの数が多く、それなのに十字ボタンでは第一階層の切り替えができず第二階層での移動しかできないので、スクロールがすごく大変なのです。
たとえば第一階層の一番左側、「📷1」のメニューの中には、「1.基本設定/画質」から「8.手ぶれ補正」までの8種類のメニューがあり、第一階層の他のメニューにもそれぞれ3~6種類の第二階層があります。
「📷1」から「📷2」まで移動したくて十字ボタンを左右に操作しても、第一階層を瞬時に切り替えるすべはなく、8種類の第一階層を右にスクロールし終えてようやく「📷2」にたどり着けるのです。
つまり、「普通に十字ボタンで操作していたら第一階層間の移動がめちゃくちゃ大変」な仕様になっているのです。
さすがにこれはないだろ、と思って説明書を見たところ、第一階層の移動はボディ前側のダイヤルで行うことと書かれていました。ちなみに、マニュアルでは第一階層のことを「タブ」と表現しています。
なるほど、さすがに対策はされているのか……いや、でもメニューの操作くらい十字ボタンで完結させてくれよ!!
最初から説明書を読め、と言う話ですが……
言い訳になってしまいますが、OM-5までの旧メニューは操作がもっと直感的なのです。
第一階層のメニューは垂直方向に並び、十字ボタンで上下は階層の中での移動、左右は異なる階層の間での移動、となっているのは同じですが、第一階層の中での移動が十字ボタンでできるようになっています。

これは私の慣れの問題かもしれませんが、少なくとも今の段階では、E-M10やOM-5の頃から慣れ親しんできた旧メニューの方が操作しやすいですね。
微妙な評価になってしまったので、OM-1のUIが優れているな、と思う所も紹介しましょう。
絞りやシャッタースピードを調整するとき、ボディの前面側のダイヤルなのか背面側のダイヤルなのかが分からなくなるときありますよね。慣れてくると見なくても分かるんでしょうが、私はいまだその境地に至らず……
そんな悩みに応えるように、OM-1では絞りやシャッタースピードを変更するときに、ボディについているどちらのダイヤルを操作すればいいのか、一目で分かるよう画面上に表示してくれる仕様になっています。すごく親切で個人的には助かります。

さきほど「新メニューは使いづらい」と言う話をしましたが、このダイヤル表示は旧メニューのOM-5を使っている私からするとちょっとうらやましいです。
AFについて➀:普通に使う分には困らない
明るいところの静体撮影においてAFで困ったことがありません。暗所でもまあだいたい動作します。いやまあ当たり前かもしれませんが。
となると、気になるのはやはり動体相手ですよね。
競馬場での作例は100-400の回で取りあげますので、そちらをご覧ください。
AFについて②:顔・瞳認識の精度は微妙
この記事を書いているのは2025年8月なのですが、少し前に25mm F1.2 PROを購入しました。ポートレート向きのレンズということで、OM-1と組み合わせてさっそくコミケのコスプレ撮影にも投入してみたのですが……OM-1の顔認識・瞳認識はどちらもまあ上手く行きませんね。
体感打率はせいぜい7割くらい。Z6IIIで顔認識使った時と比べると本当にしょぼいです。
まあZ6IIIは2024年発売のカメラなので1世代くらいは違うと思うと比べるのも酷かもしれませんが、一応こっちはフラッグシップモデルなんですよね。かなしいな。
まあ後継機のOM-1 Mark IIではAI被写体認識の対象に人が追加されたので、ポートレートもやりやすくはなっているのでしょうが……なってるよね?
手ぶれ補正について

これについては公式サイトの製品紹介で
OM SYSTEMの強みを踏襲。ボディー単体で最高補正能力7段を持つ高性能5軸手ぶれ補正
と謳われるだけあり、さすがというか見事な性能。5秒でも結構ちゃんと止まってるの、どういうことなの?

シンクロ手ぶれ補正のない100-400(無印)でも、ボディ側の手ブレ補正だけでちゃんと月を手持ちで止められます。
ここぞという時の無茶が利くのはありがたい。
作例
(以下、要らん前書き)しかし、作例って難しいですよね。カメラや写真に対しての知識や技量が要求されますし、せっかくならカメラやレンズの持ち味を引き出した写真にしたいですし………なかなかその域に至れないなあ~……という。
しかも私は普段星や鳥を撮っているわけでもなく、つまりOM-1を使いこなしているとはまったく言えないわけでちょっと恥ずかしいのですが、まあ薄目でご覧ください。
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PROで撮影した作例

12-45mm F4.0 PROはもともとOM-5系との組み合わせが想定されているレンズですが、OM-1との組み合わせでも違和感はありません。
立ち位置が似ている12-40mm F2.8 PROと比較すると、テレ端の焦点距離、最短撮影距離などに違いがあります。

明るさが必要なく、携行性が優先される山にも持っていきやすい組み合わせです。

風景以外にも、登山道の側に咲く小さい花を撮る時なんかは、被写界深度の深さと手ブレ補正、そして最短撮影距離の短さというマイクロフォーサーズの特長が最大限に発揮されていい感じです。

運が良ければライチョウだって撮れます。これはレンズとは関係ありませんが(笑) 本当ならもう少し寄るか望遠で撮るかしたいところですが、登山道からはみ出さずに35mm判換算90mmのレンズで撮影するのでは、これが限界でした。

②M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PROで撮影した作例
そのうち取りあげるレンズなので、こちらは少なめに。いまのところポートレートというかコスプレ撮影がメインです。
ゴールデンカムイ 白石由竹を撮らせてもらいました!
— こおろぎ (@korogi07) 2025年8月18日
いい表情……!!
よこづな(@yokoduna45)さん
※SNS掲載確認済みです#C106 pic.twitter.com/b1uLRY8ctx
F1.2 1/60 ISO200 白石はよこづな(@yokoduna45)さん。

まあぶっちゃけ出てくる画はOM-5と比べてもそんなに変わった気はしないのですが、25mm F1.2のように大ぶりなレンズとの組み合わせだと、ホールド感が安心につながりますね。
終わりに~一度は使いたかったフラッグシップモデル~

メニューやAFについて文句は言いましたが、OM-1は間違いなく良いカメラです。登山で風景を撮影したり、競馬場でレースを撮影したりするにあたって、買ってよかったなと思います。
ただ、エントリー~初心者のユーザーにとってマイクロフォーサーズの利点は「小さい」「軽い」そして「安い」なので、ボディが大ぶりになってしまうOM-1に手が出づらいのも事実。
この時点で、ある程度勧める対象を選んでしまうカメラにはなります(そもそもフラッグシップモデルですし)。
とはいえ、超望遠をある程度安く軽くまとめたいシステムとしてはやはりマイクロフォーサーズは有用ですし、信頼性もピカイチということで用途がフィットする方にはいいカメラなのではないでしょうか。
やっぱり一度は使ってみたいですしね、フラッグシップモデル。
話は変わりますが、作例について……本当はもっといい写真を出したかったのですが、ちょっと9月は唐松岳登ったり(OM-1を持っていたが天気悪い)関西旅行へ行ったり(こっちはOM-5を持っていった)と休日に作例を撮るような時間が無く、ありものの写真で誤魔化す感じになってしまいました。
ボディの写真もしっかりとセットを組んで撮りたかったんですが、9月中に更新するためにササっと撮った写真ばかりでとりあえず更新、といった状態です。
いつか差し替えたい……しばらくは忙しいのでその時間もなさそうですが。
さて、次回の更新で取りあげるのは、そのM.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 IS。OM-1と同じく、IIが出た今となってはディスコンとなった1世代前の機種ですが、まだまだ現役で使えるレンズです。(主に競馬場での)使用感や(競馬場での)作例をたっぷりお届けしたいと思います。
それでは、次回の更新で!
以下、アフィリエイトコーナーです。
▽OM-1単体はこちら。
▽定番の組み合わせ、12-40mm F2.8 PRO IIとのセットはこちら。
▽12-40mm F2.8 PROに使うレンズフィルターはこちら。62mm径は多くのプロレンズで兼用です。


