唐突に始めたカメラ語りのシリーズ記事「カメラよろず話」、第2回です。前回は、はじめて自分で買ったカメラ、E-M10 Mark IIIについて書きました。
今回は、私が(キットレンズ以外で)はじめて買った交換レンズ、M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macroについて取り上げたいと思います。前回同様、細かな仕様や性能の話は置いといて、使い勝手や思い出についての話が中心ですのでよろしくお願いします。
これは本当にいいレンズです。
今もバリバリ現役で使っています。主にフィギュア撮影で。
M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macroを買った理由
前回の記事でも触れましたが、このレンズを購入しようと思った動機は、フィギュアを撮影するためです。
もともと冴えカノの加藤恵からはじまった私の美少女フィギュア趣味ですが、気付けば加藤恵以外にも次々と手を出すようになっており、どんどん数が増えていきます。
そうして日々Twitterやらあみあみやらで美少女フィギュアをウォッチするようになったのですが、特に美少女フィギュアのレビュワーの方々がアップしている美麗な写真を目にしているうちに、「自分の手でも美少女フィギュアを綺麗に写して手元に残したい」という欲求に駆られるようになったのです。
思い立ったが吉日。
我慢のできない性分である私は、レビュワーの先人が残した機材に関する記事を参考に、さっそく必要な道具を揃えにかかりました。
フィギュア撮影にあたっては、演色性の高い電球をはじめとした各種照明器具や三脚、背景紙、埃を落とすためのブラシなど様々な道具が必要になりますが、なんといってもレンズがなくてはいけません。
レンズと言ってもなんでもいいわけではなく、中望遠のレンズ――そしてできれば近接撮影において優れた性能を発揮するマクロレンズが必要になります。
なぜ60mm macroが美少女フィギュア撮影に向いているのか
さて、フィギュア撮影に馴染みのない方のためにも、ここで「なぜ中望遠マクロレンズか」というお話をしておきます。
美少女フィギュア撮影において、一番大事なのは顔です。
人間でもそうですが、かわいいからと言ってあまり寄って撮ると、顔はゆがんで写ります。
早い話が、かわいく写りません。
そのため、ある程度離れた距離から撮る必要があります。
ここまでは人間のポートレート撮影と同じです。
美少女フィギュアにおいてポピュラーなサイズは1/7サイズですが、そのようなフィギュアの顔をゆがみなく撮影するにあたっては、1m弱の撮影距離を取る必要があります。
その距離でフィギュアを大きく写すには、焦点距離が35mm判換算で100mm前後は必要です。
そう、そこでこの中望遠マクロ、M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macroの出番というわけです。
オリンパスがマイクロフォーサーズで出したマクロレンズには、この60mmのほかにも30mm(35mm判換算60mm)があるのですが、フィギュア撮影となるとちょっと短く感じます。
その点、このレンズは35mm判換算で120mmの焦点距離。
顔立ちの端整さを一切損なうことなく、美しく写真に残すことができます。
パーツにグッと寄ってディテールを写したいときも、等倍撮影可能なこのレンズなら余裕です。
そういうわけで、初めての交換レンズとしてこの60mm macroを購入する決意をするに至ったのです。
買った時の余談
ここまで書いたように、このレンズを買おうと思った理由はきちんとあるのですが、いざ購入したのは大阪杯の観戦のため、関西に遠征した翌日のことです。
エフフォーリアに8,000円ブッ込んで1円も返ってこなかった憂さを晴らすように、アキヨドで購入した記憶があります。なにやってんだろうねえ……
まあ結果として大変いい買い物だったのでよかったのですが。Amazonで実売50,000円切るくらいってレンズとしては安い部類ですけど、普通に考えたらそれなりの出費なんですよね……
M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macroを使った感想
さて、このレンズを使った感想です。
このレンズの長所は、安くて軽く、防塵防滴までついているところ。フィギュア撮影はもちろん、野外での花や虫の撮影にも持って来いの性能です。185gという驚きの軽さなので、手持ち撮影でも全く苦になりません。
写りもバッチリで、今まで使用していて不満を感じたことはありません。つまり、めちゃくちゃ良いレンズです。
人生初のマクロレンズということで、かなり世界が広がった感じがして買ってしばらくはもう楽しくて仕方ありませんでした。
鏡胴にフォーカス範囲のリミッターがついているのはマクロレンズとしてはそこまで珍しくもないですが、このレンズの特徴として、鏡胴に指針式の距離表示が付いていることが挙げられます。面白いですよね。まあ、フォーカスリミッターともども、あまり使わない機能ではあるのですが……
あれこれ語るよりも、実写を見ていただければと思います。
ここから下はOM-5で割と最近撮ったものです。
ちなみに、フィギュア撮影においては被写界深度を確保するために絞って撮ることが基本となります。
ボケやすい近距離の撮影において、マイクロフォーサーズのセンサーサイズは非常に有利に働くのです。
そんなこともあり、フルサイズのZ6IIIを購入した後でも、このレンズはフィギュア撮影、そしてたまに花や虫の撮影で大活躍しています。
2012年の発売からは10年以上経っており、今となってはやや古いレンズですが、マイクロフォーサーズユーザーでフィギュアを撮影するならかなりお勧めできる一本だといえます。
とはいえ、私自身これ以外のマイクロフォーサーズ向けマクロレンズを量販店での試写でしか使っていないので比較はできないのですが……
焦点距離が比較的近くAF対応のマクロレンズで比較対象となるのは、LEICA DG MACRO-ELMARIT 45mm F2.8でしょうか。
正直ライカに特別な興味はないのですが、いつか試してみたいですね。
終わりに
今回は、中望遠のマクロレンズとして唯一無二の存在感を示すM.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macroについて取り上げました。
とにかくいいレンズなので、マイクロフォーサーズを使い続ける限りは手元に置いておきたいレンズです。
しかしOM SYSTEMは90mmマクロも出したことですし、そろそろ30mmとか60mmのマクロのリニューアルに手を付けてもいいと思うんですけど……何の音沙汰もないのはちょっと残念というか心配というか。
頼むぞOM SYSTEM……!(笑)
というわけで、今回の記事はここまで。
次回は、私が買った2本目の交換レンズ、M.ZUIKO DIGITAL ED 75-300mm F4.8-6.7 IIについて取り上げたいと思います。廉価版の超望遠レンズですが、なかなかどうしていいモノです。
(上手くないけど)実写もいろいろ載っけて11月上旬には更新予定ですので、よろしければ次回の記事も、またお願いします!